iPad vs. キンドル

iPad VS. キンドル 日本を巻き込む電子書籍戦争の舞台裏 (brain on the entertainment Books)
西田 宗千佳
エンターブレイン
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電子書籍ビジネスが各所で話題になっている。そんな状況の解説書。
多読が趣味の私にとっては、eBookは歓迎すべき存在だ。本を保存するスペースがいらないし、重くないし、書店まで行く必要が無いし、メリットがたくさんある。なので、eBook関連のニュースには日々アンテナを張り巡らせている。

なぜ、キンドルがアメリカで流行しているのか。その大きな理由は、キンドルの通信コストにある。キンドルはネットからコンテンツを購入するのだが、その際のネット接続料はタダである。PCでも携帯電話でも、ネットに接続するには、プロバイダ契約をし、NTTに回線使用料を支払い、マシンの環境を設定をする必要があるのだが、キンドルはそれが一切ない。これは、キンドルユーザの「読書と直接関係のない費用は一切支払いたくない」という心理にかなりマッチしたシステムである。実際には通信コストは、コンテンツの売り上げやキンドル自体の価格に上乗せされているものの、ユーザが通信コストを意識することなく使用できる点が良い。これが毎月月額使用料を支払う、というシステムだったら、ここまでキンドルが流行することはなかったと思う。

それから、キンドルサービス開始時点でアマゾンは膨大な数のコンテンツを用意していたことも、成功の一因である。eBookにしろ、ゲーム機にしろ、遊べるコンテンツが何もない状態でビジネスが立ち上がる訳がないのだが、失敗するハードは必ずと言っていいほどコンテンツを充分準備しない段階で発売に踏み切る。古くはNINTENDO64に始まり、最近ではPS3がそれにあたる。何故同じ失敗を何度も繰り返すのか、さっぱり理解できないのだが、この点、アマゾンはしたたかだったと思う。

日本でのeBookサービスの立ち上がりは2010年中と見られている。既に小規模なeBookサービスはいくつもあるが、本格普及した際には米国と同じく寡占的な状況になるだろう。eBookはハード産業でありインフラ産業であるため、規模の経済性を活用しないと、ビジネスとして成り立たないと思われる。
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by shohey0229 | 2010-04-25 16:52 | 読書