【読書】3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
(2008/03)
城 繁幸

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■内容

若者の離職率が非常に高い現代。著者は3年で辞めた若者のその後を追い、人は今どういう生き方をすべきなのか、会社はどうあるべきなのかを考察している。
人は会社に依存せず、自分が目指すべきものを自分で考え実行しなければいけない。高度経済成長期の会社なら、長く働けばポストを用意し賃金で評価してくれたが、今の会社にそんな余裕は全くない。見返りのない滅私奉公などせず、自分の夢や目標を達成できる会社に転職した方が、年を取ってから人生を振り返った時に後悔しないだろう。
また、会社は年功序列を廃止し、さらに形だけの実力主義も廃止し、完全実力主義に移行すべきだと訴えている。年功序列は高度成長期にしか成立しないシステムである。経済成長率が鈍くなれば、賃金も増やせないし、ポストも増やせない。その皺寄せを若者に押し付けているのが今の企業だ。だが、若者が逃げれば、企業はそのうちに死んでしまう。昔のような経済成長が見込めない今のような時代には、完全実力主義により労働者のモチベーションを保ちつつ、持続的な経営を目指さないといけない。

■感想

僕の働いている企業は滅私奉公とは程遠く、やりたいことを出来る場所なので、良い企業なんだなって思った。昔は年功序列企業の一つだったと思うんだけど、ピンチに陥ってからの大きな改革で、実力主義やワークライフバランスといったところにも気を配るようになったらしい。その改革の際に待遇が悪くなった老人達はこの会社を相当憎んでるのだけど、先を見据えれば正しい選択だったのではないかと思う。この本を読んでて、理解のある経営者って貴重なのだなと思う。多くの人に恨まれることを選択した訳だから。

単なる評論じゃなく、一人一人の若者の事例を紹介してたのが好きな点。他人の夢とか価値観とか、美学に触れることが最近は一番楽しい。夢とか目標って他人が共感できるレベルまで表現力を高めないと、後援者がつかないので達成しにくいものだと思います。ここで言う表現力っていうのは、文学的な表現力じゃなく、自己中な話じゃないっていうこと。自分の夢だから、自己中になりがちだけど、そんな夢を応援してくれる人はいないから。
というか夢って深く大きく拡張していけば、最終的に世の為、人の為の夢になる訳で、そこまで考えて話せば、誰もが応援してくれることだろうと思います。この本で紹介されてるマズローのモチベーション理論は、一般的な人間は、ある程度の欲求が満たされてから、より高い理想を目指せるようになると言ってるが、僕は高い目標はいつでもどこでも立てられるものだと思ってる。現状に不満があるから夢を見たりもするし。

さて、'08年度新社会人は、3年で辞めるつもりはない人が圧倒的多数だというアンケート結果が出ているという。就活が空前の売り手市場だった為、就職先に満足しているからだそうだ。僕の身の回りの同期を見渡しても、終身雇用と安定を望んでいる人は多い。まあ、うちの会社は自由だし、プライベートを充実させる生き方も、仕事を充実させる生き方も出来るから、一生ここで働いても良いと思う。他社の友達もそう簡単に辞める人はあんまりいなさそう。とりあえず、入社して二ヶ月ちょいではネガティブに考える人はいなさそうです。僕の周りには。
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by shohey0229 | 2008-06-14 09:50 | 読書