フラット化する世界(下)−2

フラット化する世界 [増補改訂版] (下)フラット化する世界 [増補改訂版] (下)
(2008/01/19)
トーマス フリードマン

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■内容

第二部 アメリカとフラット化する世界
 第9章 これはテストではない
  アメリカは、世界のフラット化に危機感を持ち、熱心に取り組め!ということが書かれている。筆者が提案するのは「思いやりのあるフラット主義」。本章では「思いやりのあるフラット主義」についての重要な課題として四点挙げられている。
  まず、ケネディ大統領のような、政治的リーダーシップを発揮できる人物が今こそ必要である。すなわち、危機を正確に把握し、国民を啓蒙し、政策によって、アメリカをフラットな世界で勝者にする人物である。二点目は、企業や国は個人の「雇用される能力」の向上を手伝わなければいけないということ。フラットな世界では、アウトソーシングやIT化により、従来の仕事は無くなるか、別なものに変化していく。どこの企業でもやっていける能力、すなわち「雇用される能力」の強化を企業や国は積極的に助けていかなければいけない。3点目は、フラット化の反動に対する緩衝材の用意である。フラット化により、転職を迫られ、賃金が減少する国民が多数現れると思われる。「賃金保険」はそうした人たちに、賃金の減少分を二年間保障するものだ。「失業保険」と違うのは、失業期間には支払われず、労働している者にだけ支払われるという点。早期転職を刺激する点で前向きな保険と言える。そして、四点目は家庭における子育てだ。アメリカの子供は中国やインドに比べ、怠惰である。今後同じ土俵で争い、あるいは協力する機会は増大する為、同じように一生懸命勉強に励まなければならない。


■感想

家庭の子育てを論じる節で、MIT教授のポール・サミュエルソンの言葉を引用しているのだが、その人が良いこと言ってる。視野の狭さは悪だ。

「最先端の国というアメリカの立場は、どんどん危なっかしくなっている。なぜかというと、たくわえが極めて乏しい社会になってしまったからだ。すべて自分、自分、自分、そして今−−他人や明日のことは、まったく考えない。問題は指導者ではなく有権者だろう……昔は、科学者になるような頭の良い子は、難しいパズルに取り組んでいた。いまはテレビを見ている。気が散ることがあまりにも多いのも、自分、自分、自分、そして今、という考え方が蔓延している理由だろう。」

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by shohey0229 | 2008-08-25 21:37 | 読書