偽善入門

偽善入門―浮世をサバイバルする善悪マニュアル偽善入門―浮世をサバイバルする善悪マニュアル
(2008/09)
小池 龍之介

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■内容&感想

著者はお坊さん。禅の観点から、道徳について述べている。「成功したければ良い人になりなさい、なるべきだ」と主張する本や人が多いが、この本はそれより一歩進んだ本である。

「良い人になる」って考えながら日々を暮らしていくと、必ずぶち当たる壁がある。それは「自分はこんなに良いことしてるのに、他の人は何でこんなに悪い人ばかりなのだろう?」→「自分はここまで他人の為に尽くしてるのだから、他の人だって自分に尽くしてくれるべき」→「自分はここまで頑張っているのだから、せめて認めてくれよ!」というストレス。

そういうストレスに本書は答えている。他人に対して「〜すべき」と道徳を説くのは、他人に善人になってもらって、その善行にタダ乗りしようとしているだけだと、バッサリと切り捨てている。そこから、どうしたらストレスから開放できるかについて述べている。

禅について興味を持った。自業自得を深く広く解釈したのが「カルマ」という概念である。過去に自分の心の中で生じた様々な悪が今の自分の心の中に負の感情を生んでいる。他人の言動にストレスを感じるのは、他人の言動からストレスを作る工場を自分の心の中に持っているから、と考えるのが禅である。とても大きくて、応用力のある考え方だと思った。禅は数学や論理とは無縁のように見えて、禅には禅のしっかりとした公理系が存在している。
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by shohey0229 | 2008-11-03 23:22 | 読書