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うらおもて人生録 (新潮文庫)

色川 武大 / 新潮社



博打打ちからスタートした著者が長い人生の間に悟った、人生論について語られている。運の総量は五分五分であり、長い勝負を決するのは実力やエラーである。しかし短期で見た場合、運は実力の差を埋めて余りあるため、全勝は不可能、したがって九勝六敗を選んでいけ、というような論旨。

他者を相手にした戦いでは自分と相手、自分自身との戦いでは弱みと強み、これらの勝負で九勝させてもらいつつ、六敗を選んでいくことが継続できる生き方なのだ。さらに一般的に言うと、表と裏の関係にある二律背反を意識的にコントロールすることが、長い人生で社会に生かしてもらうためのセオリーなのだ。

東京は糸が張り詰めたように、何事も勝つことばかりに意識が行ってしまいがちだ。六敗を甘んじて生きられるように、私も大らかな人に成長したい。

著者の文章の書き方も分かりやすくてよかったが、解説の人の文章がさらに美しかった。西部邁という人らしい。この人の本も読んでみたい。
人生論はいまどきの流行ではない。いわゆる「知」とかが人生や体験をこのうえなく侮蔑し、人生なしの芸術、体験なしの知識が言葉のショー・ウィンドウに並んでいる。今の時代の優等生とは、このガラスのなかの陳列競争の勝者ということであり、これが時代の本線である。

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by shohey0229 | 2010-03-30 01:37 | 読書

社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由

板倉 雄一郎 / 日経BP社



社長業の怖さが分かる本。銀行への返済を延滞したあげくに、自社の社員がおどされるくだりは嫌だなぁと思った。華やかなベンチャー企業から一転して倒産していく様は、怖いとしか言いようがなかった。倒産の一番の原因は早すぎた拡大戦略だろう。企業規模に不相応な拡大路線が資金ショートを起こす様がよく分かる。大手銀行の後ろ盾を自分の実力と勘違いしてしまった時、資金調達の危機意識がごっそり抜け落ちてしまったのではないかと思う。

この本が書かれたのが1998年。今の著者のHPを見る限り、誠実とは正反対のチャラさがあり、私の中では、哀れみよりも憎しみの方が勝った。
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by shohey0229 | 2010-03-29 22:32 | 読書

親鸞 (上) (五木寛之「親鸞」)

五木 寛之 / 講談社



親鸞の小説。上流階級の人のみを対象とし、形式的な祈りが支配的な時代に、彼のやろうとしたことは、極楽浄土に行くことができない悪人を救うことだった。将来の保障を捨ててまで、仏とはいったい何なのか、どうして人は仏を求めるのかという根本的な問いに悩む親鸞は、気高いと思う。こうした根本的な問いはわれわれ現代人にとっても同じだと思う。自分は何のために生きているのか。生かされているのか。いつのまにか生きること自体が目的かのような錯覚に陥る。
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by shohey0229 | 2010-03-28 20:03 | 読書

生命保険の「罠」 (講談社+α新書)

後田 亨 / 講談社



必要もないほど多額の生命保険に入っている無知な日本人の為の本。保険に入る際に考えるべきは「その保障が自分の貯金でまかなえないほどのものかどうか」、そして「そのリスクが発生する確率がどのくらいなのか」、最後に「保険金は過剰じゃないか」ということ。このへんをクライテリアにしていれば月々何万円も保険料を支払うことはなくなる。

あと、祝い金などのおまけにも注意する必要がある。祝い金は月々支払う保険料に上乗せされているだけなので、客にとっては何の意味もない。貯蓄型の保険も掛け捨て型の保険料に貯蓄用の保険料を上乗せされているだけなので、メリットはほとんどない。あったら使っちゃうから貯蓄型保険に入るっていう場合も、もうちょっと割りの良い投資先を検討した方が良い。

専門でやっている人を除いて、一般人は保険を前にすると思考停止に陥り、乱暴な宣伝文句にまんまと載せられ、あれもこれもと特約をつけて多額の保険金を支払うものらしい。しかし、こうして、人の不安につけこむ保険屋は、21世紀中にさらに力をつけていく。テクノロジーがいかに発展しようと、人にとって不安は一生なくならないからだ。
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by shohey0229 | 2010-03-22 21:51 | 読書

完全なる証明

マーシャ・ガッセン / 文藝春秋



数学上の世紀の難問と謳われていた「ポアンカレ予想」を証明したにも関わらず、その代償を一切受け取らず、世間の表舞台から消えた天才ペレルマンの話。ペレルマンは取材には全く応じない人の為、本書は彼の周辺にいた人物の証言から人物像を浮かび上がらせる手法を取っている。

フィールズ賞やクレー賞を頑なに拒絶するペレルマンの奇人的なまでの対応の真意は私には分からないが、それはペレルマン自身も分からないことなんじゃないだろうか。読みながら、トラどらの一幕が思い浮かんだ。


「私は他人が私の心の中を勝手に想像して分かったような顔をする。それがイヤなの。むかつくの。何で分かってくれないの?」
「分かってほしいのか、分かって欲しくないのか、どっちなんだよ」
「分かんない!私がどう思っているかなんて誰にも分かるはずない。だって、自分だって知らないもの・・・」

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by shohey0229 | 2010-03-22 00:52 | 読書
物理会の大御所の自伝。彼の考え方は私と似ている。が、彼にあって、私に決定的に欠けているのは行動力だ。特に冬場は冬眠したかのように消極的になるこの性格が変わっていけばいいと常々思ってる。夏場はアクティブになれるのだが・・・。

僕たちは「できるけどやらないだけのことさ」といつも自分に言い聞かせているわけだが、これは「できない」というのを別な言葉で言っているだけのことなのだ。


だがそれでも僕の一番好きなのは、やっぱり物理学だ。だからそこに戻っていくのが嬉しくてたまらないのだ。


いくら人が僕はこういう成果をあげるべきだと思いこんでいたって、その期待を裏切るまいと努力する責任などこっちにはいっさいないのだ。そう期待するのは向こうの勝手であって、僕のせいではない。

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by shohey0229 | 2010-03-07 00:04 | 読書

ロックマンDASH / ロックマンDASH2 バリューパック

カプコン



PSPを購入後に何をやろうかと考えて、ロックマンDASHを選んだ。このゲームを選んだ理由は、ロックマンが好きで、DASHシリーズはかなり評判も良かったことから(参考:Wikipedia)。

これまで2Dでしかゲームしてこなかった自分にとっては3Dゲームというしろものに、慣れるのに相当時間がかかった。というか、ラスボスまで操作性になかなか馴染めなかった。3D特有の視点移動は相当難しく、視点移動の隙をついて敵が攻撃してくるものだから、すごく理不尽に感じた。ゲーマーの腕というより、ロックマンが、もっとキビキビ視点移動しないことが問題なのでは?と。

でも、実際の戦争も視点移動の隙とかで殺されたりするんだろうし、あながち間違っていないか、とか考え、最終的にロックマンの視点移動のスピードを考慮のうえで戦えるレベルに達した。

それにしても、いまどきの少年達はこのような3Dゲームの当たり前のように遊んでいることを考えると、日本はゲームを通じて凄まじいチルドレンを養成しているんじゃないかと感じた。遠隔操作のロボットが一般的になれば、彼らの3D操作能力を活かしたバイトとか出てくるかも。
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by shohey0229 | 2010-03-01 23:25 | 読書